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【Electric Ladyland】The Jimi Hendrix Experience

13 2月

エレキギターの始まりと終わり。

electric

Electric Ladyland

ロックの名作というよりはロックギターの教本。

時は1968年、今から45年も前のアルバム。

ロックにおけるギターというのはこのアルバムからあまり変わっていないのかもしれない。

ジミヘンドリックスの3作目にして存命最後のスタジオアルバム。

ザ・ジミ・ヘンドリックス・イクスペアレンス

『エレクトリック レディランド』

リリース1968.10.25

■序章

「27クラブ」をご存知だろうか。20年前までは正会員(?)として4名。ローリング・ストーンズの元リーダー、ブライアン・ジョーンズ、ジャニス・ジョップリン、ドアーズのジム・モリソン、そしてジミ・ヘンドリックスである。ここに1994年カート・コバーンが入り、いつの間にか「27クラブ」という名で呼ばれるようになった。

そう、みな27歳で他界したミュージシャンである。

カリスマミュージシャンは27歳で不慮の死を遂げる27歳のジンクスというのがある。その伝説は古くは1938年、悪魔に魂を売ったブルースマン、ロバート・ジョンソン(享年27歳)の死から始まる・・。そして近年27歳でなくなった総勢40名を越えるミュージシャン全てがここに名を連ねる。最近では2011年7月エイミー・ワインハウスも仲間となってしまった。

 

1970年9月18日午前11時18分。
連絡を受け救急車がロンドン・サマルカンド・ホテルに着いたのは9分後の11時27分。

多量の嘔吐物の中に埋もれてベッッドに横たわっているのはジミ・ヘンドリックス。死因の公式発表では、睡眠前に多量の赤ワインを飲みながらバルビツール酸系睡眠薬を併用したことによる中毒、及び睡眠中に嘔吐したことによる窒息死。デビューからたった4年という短期間でギターという楽器に変革をもたらし世界を変えてしまったアーティストである。

■ギターの革命児

ギターの奏法だけでなく、作曲、音、ライヴパフォーマンス、スタイルなどあらゆるロックの可能性を2歩も3歩も進めた、いや大きく拡げた人物である。

現在に続くその影響とインパクトのエピソードを1つ。
彼のトレードマークであるフェンダー社のギター『ストラトキャスター』というモデルがあるが、フェンダー社は54年に主力モデルとしてこれを発売する。ところが全くと言っていいほどヒットせず廃版目前どころか会社も苦しい状況となっていた。プロのギタリストはほとんどパワーのあるギブソン社を使っていた66年、彗星のごとく現れたジミによって瞬く間にストラトキャスターはロックギターのツールとして浸透し、刺激されたエリック・クラプトンがジミを追うように使い始めた70年代にはギブソン・レス・ポールと共にロックギターの双璧をなすブランドとなっていった。そんな影響力を持つジミ。

ギターアンプのマーシャルも爆音ロックギターアンプの代名詞として語られるようになるのもジミの功績が非常に大きい。また音を加工する様々なエフェクター群もジミが使って大ヒット商品になったものも数多とある。

今現在、ロックギタリストの基本なイクイップメントはジミの踏襲といってもいいだろう。特にブルースロック、ファンク、ソウルはまさにそのもの。

■『エレクトリック・レディランド』

さて、取り上げるアルバムは、3作目にして存命最後のスタジオアルバムである。録音は1967年夏〜1968年夏、アナログ盤(LP)では2枚組だった。

一言でこのアルバムを言い表すとしたら『全てのロックギターの通過点』だろう。たとえこのアルバムを聴いていなくても、ロックギタリストの演っていることは原理的にこれと同じ。そういうアルバムである。1968年に「今後50年経ってもきっとエレクトリックギターはこうである」とジミが言っているかのようなギターアルバムである。つまり、上手い下手という次元じゃなくロックにおけるギターの在り方を全て演っちゃったのがこのアルバムのスゴさなのである。リズム楽器、リード楽器、アタックの強いハード&ヘヴィーなサウンド、感傷的な甘いトーンなどあの楽器で出来ることは全て網羅されているのである。

全2作と比べゲストミュージシャンも多い。

4曲目のオルガンは15歳でデビューし神童といわれた若干20歳のスティーヴ・ウィンウッド。またウィンウッドが当時在籍していたトラフィックのメンバーも参加している。11曲目クリス・ウッド(フルート)、15曲目デイヴ・メイソン(12弦ギター)。4曲目ジャック・キャサディ<ジェファーソン・エアプレイン>(ベース)。15曲目ブライアン・ジョーンズ<ローリングストーンズ>(パーカッション)。

 

トラッキングリスト

  1. 恋の神々 – And The Gods Made Love
    1. インストルメンタル。テープを逆再生する当時の流行の技術を用いたミュージックコンクレート。
  2. エレクトリック・レディランド – Have You Ever Been (To Electric Ladyland)
    1. ジミの名曲「リトル・ウイング」に似た感傷的なギターとジミのボーカルスタイルがカーティス・メイフィールドっぽいソウルなナンバー。
  3. クロスタウン・トラフィック – Crosstown Traffic
    1. カズー(口にくわえて発声する鳴りもの楽器)が印象的なこのアルバムの2ndシングル。ジミならではのR&Bグルーヴ満載の曲
  4. ヴードゥー・チャイル – Voodoo Chile
    1. スタジオジャムセッション。正式なスタジオ版はこのアルバムの16曲目に収録。ダークでドロッとしたスローブルース。ジミ(Gt/Vo)、ミッチ・ミッチェル(Dr)、スティーヴ・ウィンウッド(オルガン)、ジャック・キャサディ(ベース)。このセッションにジャズギタリストのラリー・コリエルも呼ばれたが雰囲気に合わずということで収録はされていない。後述の原曲よりもひたすら黒い。とにかく黒い。
  5. リトル・ミス・ストレンジ – Little Miss Strange (by Noel Redding)
    1. ビートルズやフーのようなブリティッシュビートな曲。ベースのノエル・レディングによる楽曲でリードボーカルもレディング。今風な言い方するとジミ流ブリットポップ。なかなか軽快で気持ちいい。
  6. 長く暑い夏の夜 – Long Hot Summer Night
  7. カム・オン (レット・ザ・グッド・タイムス・ロール) – Come On (Let The Good Times Roll) (by Earl King)
    1. アール・キングのカヴァー。ジミの中でも特にキレキレのギターワークが堪能出来る。ワウペダルのスイッチがはいり刺々しいトーンのフレーズがなんとも頭の中を旋回する。
  8. ジプシー・アイズ – Gypsy Eyes
    1. ギターとヴォーカルメロディーのユニゾンが印象的で、さらにジプシー的な香りも感じさせる。非常にシャープでタイトな曲だが後半ギターにフェイザーのエフェクトが掛かると途端にサイケデリックに変貌する。
  9. 真夜中のランプ – Burning Of The Midnight Lamp
    1. ジミの中でも飛び抜けてサイケデリックな楽曲。
  10. 雨の日に夢去りぬ – Rainy Day, Dream Away
    1. サックスがアダルトな雰囲気を醸し出す。エンディングのギターソロがまるで人が喋ってるように聴こえる。ように弾いたのかな??と思っていると・・・・それは13曲目のイントロだったりする。LP、CD、カセットで曲順が違うがこの10曲目と13曲目が繋がっていたというヴァージョンはどこにもない。
  11. 1983 – 1983… (A Merman I Should Turn to Be)
  12. 月夜の潮路 – Moon, Turn the Tides…Gently Gently Away
    1. この2曲で15分弱という大作。様々な実験を試みているプログレ的指向な曲作りをしている。もちろんこの時にはまだそこまでの音楽性を持ったバンドはでていない。ロックバンドとしてアーティストとしての可能性や表現を突き詰めようとしていたかのような曲だ。
  13. 静かな雨、静かな夢 – Still Raining, Still Dreaming
    1. 10曲目の終わりにでてくる、人が喋っているかのようなギターソロから始まる。タイトルからも判るように元々は1つの曲であったのだろう。
  14. 焼け落ちた家 – House Burning Down
  15. ウォッチタワー(見張塔からずっと) – All Along The Watchtower (by Bob Dylan)
    1. ジミの代表曲の1つ。といってもおなじみボブ・ディランのカヴァーなのだが、ディラン曰く「この曲の権利の半分はジミのものだ」というくらいジミのヴァージョンが有名。ブライアン・ジョーンズのタンバリンが異様に耳につくのは私だけ?
  16. ヴードゥー・チャイル(スライト・リターン) – Voodoo Chile (Slight Return)
    1. バンドのオリジナルヴァージョン。4曲目のように黒々はしていない。というかブルースではなくロックだ!ヴォーカルとのユニゾンギターとリズムとリードを一片に弾けてしまうこの人は宇宙人なのだろうか?技術的なことではなく、ハートで感じるメンタルにおいての部分なんだが。誰も真似出来ないな。歌も唱ってるしね。

 

 

しかし、私の50代の音楽仲間はこう言ってた。「当時中学生でリアルで聴いた時、変態過ぎて何やってるか判んなかった」と。確かにビートルズに比べたら音楽性はすっ飛んでるわな。

時代に問われず、今だからこそ聴けるアルバムであると思う。ギター弾きなら1度は真剣に聴いてみるとイイ。

by タバチン
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1件のコメント

投稿者: : 2013年2月13日 投稿先 3.Rock(ロック)

 

【Electric Ladyland】The Jimi Hendrix Experience」への1件のフィードバック

  1. 小俣哲弥

    2013年2月15日 at 23:17

    おお~きましたねぇ(笑)

    ジミヘンの代表作、英国盤は悪趣味なヌードジャケで有名な「エレクトリック・レディランド」

    オリジナルアナログ盤のジャケットは両面フルコーティングのとても美しい仕様。
    ファーストプレスは内ジャケの文字が青色の通称「ブルー・テキスト」
    セカンドプレスは内ジャケの写真がやや小ぶりになり、白文字の「ホワイトテキスト」

    両盤共、ジミヘン自身がエンジニアにOKを出したアーティスト公認盤。(通常はファーストプレスだけ)

    「ホワイトテキスト」しか聴いたことありませんが、トンでもない代物でした。
    何がって…………音が。

    1曲目の「恋の神々 – And The Gods Made Love」のエフェクターの音を聞いた瞬間
    ぶっ飛びましたよ(爆)。

    やはりオリジナルアナログ盤は、アーティストの意図した音が聴けます。おススメです。
    とはいえ、状態の良い「ブルー・テキスト」は、オークション(イーベイ)では1000$越えはあたりまえ、
    「ホワイトテキスト」でも500$は下りません。

    なかなか手ごわいですぞ。

    閑話休題

    最近、デレク&ドミノスの「レイラ」の英国盤ファーストプレスを手に入れましたが
    やっぱ、音最高!!

     

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