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【Grace】Jeff Buckley

12 10月

90年代最高峰の孤高のアーティスト

Jeff Buckley / GRACE (1994)

このアルバムがリリースされてもうすぐ20年。

ヴォーカルの重要性について気付かせてもらってからそんなに年月が流れたのかと・・・。

今回は孤高のシンガーソングライター、ジェフ・バックリィのアルバム『グレース』をとりあげよう。

ジェフ・バックリィ

『グレース』

リリース1994.8.23

 

 

 

 

Rockとは、衝動である。反骨である。狂気である。

Rockミュージシャン、特に時代を創造したアーティスト達は、いずれも己の意のままに生き、その魂を封じ込めた遺産はどれも狂気に満ちたものばかりだった。そして世界を変えたアーティスト達はみな孤独で不遇の中に旅立ってしまった。

今回紹介する孤高のシンガーソングライター、ジェフ・バックリィもその一人であることに異論を唱える者はいないであろう。

1994年にリリースしたアルバム『グレース』。

彼はオリジナルスタジオアルバムとしてこの1作しか出していない。彼は2ndアルバムを製作中の97年の5月、30歳の若さで急逝してしまったからだ。

だが、ジェフの表現者としての天賦の才能はこの一枚で充分に堪能できる。内容や歌詞を超えて伝わる狂気と衝動。このアルバムに真剣に向かい合うと鳥肌が立ち、1枚聴き終わるころには非常に疲れてしまう。そのくらい引き込もうとするパワーは90年代では類希な傑作アルバムだ。

では何故このアルバムが傑作と謂わしめるのか・・・。

このアルバムを端的に表すならば繊細なバラードとレッド・ツェッペリン的なハードさを合わせた「静」と「動」の狂気といったところ。何よりもまずヴォーカルパフォーマンスが素晴らしい。のちのレディオへッドやミューズなど現在大活躍のRockアーティストに多大な影響を及ぼした、鬼気迫るほどの美的な唱い方は、そうツェッペリンのロバート・プラントの歌唱法をさらにジェフという媒体を通して表現される説得力にある。

ジェフといえば「唯一無比のヴォーカル」ばかりが注目されがちだが、ギタリストとしても恐ろしいほどのセンスを発揮している。聴けばすぐ判るテレキャスターのトーンとカントリー的なギターパフォーマンス。さらに楽曲のコンポーズセンスもこの時代にはない独特の作風。それはもうとんでもないアルバムだったりする。

この時代、世の中を席巻していたのはオルタナのなかでもグランジ。そうニルヴァーナやパール・ジャム、スマッシング・パンプキンズ。ジェフはグランジでもなく、エレクトロポップでもなく、ミュージシャンであった父親譲り(ティム・バックリィ)のフォーク&カントリー的なアプローチで「静」と「動」を表現している。

とにもかくにも人間的でダイナミズムで狂おしい美とエモーショナルな世界が1枚の中に封じ込まれているのだ。

1. “Mojo Pin”   5:42

2. “Grace”   5:22

3. “Last Goodbye”   4:35

4. “Lilac Wine”    4:32

5. “So Real”    4:43

6. “Hallelujah”    6:53

7. “Lover, You Should’ve Come Over”    6:43

8. “Corpus Christi Carol”  2:56

9. “Eternal Life”   4:52

10. “Dream Brother”    5:26

6曲目のHallelujahは唯一のカヴァーソング。原曲はレナード・コーエンのゴスペルソング。これを多彩なジョン・ケイル(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)がピアノ弾き語りでカヴァーしたものを基にジェフはエレキギターの弾き語りにアレンジしている。このヴァージョンは多くのミュージシャンに影響を与えこれ以降カヴァーも数多レコーディングされ、スタンダードソングとなるくらいメジャーなものとなった。(その一つに映画シュレックのサウンドトラックになったルーファス・ワインライトのカヴァーもある。厳密にはジョン・ケイル版の流れだが・・)

 ジェフらしい説得力のある歌と巧みなエレキギターのアレンジでやはり聴くものに何かを残す秀逸なカヴァーだ。

彼がこの作品で表した「静」と「動」。彼のいない今、その表現したものは「生」と「死」ではなかろうか・・・。この作品だけを残しこの世を去ってしまうことが運命だと判っていたかのような作風。ひたすら感情があふれるこのアルバムを聴いているとそう思えてならない。

2012年10月現在、ジェフを描いた伝記映画が3本製作中である。内1本は9月のトロント映画祭で上映された「Greetings from Tim Buckley」。来年公開予定だが日本で公開されるかは未定。

そして残り2本のうちジェフの母マリーがプロデュースし巨匠リドリー・スコットの息子ジェイク・スコットが監督している大本命の伝記映画も来年公開されるだろう。これは必見である。

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投稿者: : 2012年10月12日 投稿先 3.Rock(ロック)

 

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