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【Fumbling Towards Ecstasy】Sarah McLachlan

13 9月

秋の夜長に聴きたい大人のためのアルバム!

Sarah McLachlan / Fumbling Towards Ecstasy(1993)

90年代の女性シンガーソングライターを先導したサラ・マクラクラン。

日本ではちょっと知名度は低いが、カナダ・アメリカでは絶大な影響力を持つ彼女の3rdアルバム。

女性視点で描かれる詩の世界と彼女の歌声が深まる秋と共に心に染み込む傑作。

サラ・マクラクラン

『エクスタシー』

リリース1993.10.22

■サラ・マクラクランについて

サラ・マクラクランはカナダ出身の44歳のシンガーソングライター。幼い頃からクラシック楽器と声楽を学んだ。その教養は各楽曲作りにも現れ、質の高い透明感のあるファルセットをはじめとするヴォーカルパフォーマンスにも発揮されている。1988年にデビュー、1st・2ndアルバムは地元カナダで着実にファンを増やしていった。そして3作目となる今作『エクスタシー(1993)』はチャートアクションこそビルボード40位以下と派手ではなかったものの約2年もの間チャートインし続けアメリカで500万枚を売る。その後4作目『サーフェシング(1997)』でグラミー賞を3部門受賞し世界的トップアーティストへ。
サラの特徴はなんといっても赤裸々な女性の内面を深い表現で描き出す「詩」に魅力がある。
70年代初期のキャロル・キングやジョニ・ミッチェルを90年代に蘇らせたようなものだ。80年代の華々しい作られたアイドルのようなミュージックシーンとは無縁だったハートと才能ある女性アーティストが地に足をつけ、自らの想いを自ら演奏し唱う。

また、純粋な反骨精神心丸出しのロックとは違いアダルトロック(以前紹介したドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』のような大人向けロック)で、少し内省的な内容とどこまでも透き通るような透明感のあるサウンドプロダクツが魅力になっている。

そのスタイルは、今でこそ著名な女性シンガーソングライター達(シェリル・クロウ、アラニス・モリセット、アヴリル・ラヴィーンなど)に道を開いたアーティストである。サラがいなければ90年代後半に数多の如くデビューする女性シンガーソングライターのブームは起こり得なかっただろうし、2000以降のガールズバンドには繋がらなかっただろう。

彼女の興した有名なイベントがある。女性だけの女性主導ライヴイベント”リリスフェア”の開催だ。出演アーティストも世界各国の女性アーティストならば観客も女性限定。女性のために女性が唄うイベントなんて前代未聞で画期的な出来事だ。1997~1999と3年間行われ、その後中断していたが2009年より復活している。この”リリスフェア”こそ、90年代後半に女性シンガーソングライターを多く世に送り出す原動力となったといえる。そのイベントの提唱し主催したのががサラ・マクラクランなのである。

■アルバム『エクスタシー』

サラ・マクラクランといえば、前述の通りグラミーの最優秀ヴォーカルパフォーマンスを獲った次作『サーフェシング(1997)』が世界中で大ヒットしとても有名になったが、今回ご紹介するサラの3作目は1993年の秋にリリースした。

ではなぜ最大のヒット4作目ではなく、3作目の『エクスタシー』を名盤と定義づけてご紹介するかというと、グラミー賞を授賞した大ヒット作『サーフェシング』に比べ、アルバムコンセプトや全体の構成・音作りに統一感がありトーンがまとまっているからに他ならない。簡単に言えばより芸術性が高いといったところ。もちろん『サーフェイシング』も素晴らしいアルバムであることに変わりはない。

聴き所は、1の”Possession”。それまでの彼女にはなかった力の籠った唄い回しがある。「押し倒して、激しいキスをして君の息を全て吸いとってあげる、君はただ目を閉じればいいだけだよ・・涙は拭いてあげるから」と強烈な愛情表現の言葉がリフレインする。そうこれはストーカーの詩だ。彼女自身がこの曲を作った経緯について数少ないながらも語っている。「いくつかのファンレターの私に対する期待や要望は『行き過ぎ』でした。この曲はそんな、他の誰かにどうしようもないくらい魅せられてしまってその人を自分のものにするためには暴力だって厭わない人の視点から書かれています。」
タイトルもここでは「所有」という意味より「占有」と捉えた方があっている。

彼女は自身をストーカー行為をしている者としてこの曲を描いている。しかも恐ろしいくらい冷静になって。そしてこの曲のリリース後、熱狂的なファンから詩は手紙の内容からの盗用だと訴訟に発展するがそのファンは自殺してしまう。
曰くのついた曲だが、現在に至るまで彼女はこの詩を唄い続けている。
特に後にリリースされるライブアルバム『ミラーボール』での演奏はバンドもサラもいつにないくらいロックで秀逸だ。

他、このアルバムで創る世界は基本的に女性視点のラブソングなのだが人間の危うさ・闇・脆さにスポットを当てたものが多い。上記のストーカーに始まり婚約者がH.I.V感染者だと知ったらとか。社会と人間と愛というものをテーマに詩を作り世間に問いかけている。

1.”Possession”  4:39

2.”Wait”  4:09

3.”Plenty”  4:05

4.”Good Enough”  5:03

5.”Mary”  3:55

6.”Elsewhere”  4:44

7.”Circle”  3:43

8.”Ice”  3:54

9.”Hold On” 4:09

10.”Ice Cream”  2:44

11.”Fear”  3:59

12.”Fumbling Towards Ecstasy

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投稿者: : 2012年9月13日 投稿先 3.Rock(ロック)

 

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