「弱冠(じゃっかん)」という言葉がある。古代中国では男子の20歳を「弱」といい、その歳になると元服して冠をかぶったことから、男子の20歳を「弱冠」と言うようになったそうだ。日本語としての意味もそのまま「男子の20歳」であるのだが、昨今は「弱冠19歳」などと間違った使われ方が多くみかけられる。しかし、世は生々流転。言葉も時の流れで変化していくものであるなら、いつしかその意味すらも「20歳」ではなく「年若くして」という風に変化していくのかもしれない。 Read the rest of this entry »
日別アーカイブ: 2012年9月12日
仮面の陰のパッション―ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調/左手のためのピアノ協奏曲
高校から大学にかけて、一方で古楽、一方で近・現代音楽、また一方でロックというリスナー生活を続けていたのだが、なぜか古典派、ロマン派がすっかり抜け落ちていた。というか、避けていた。もちろんそこには、ちょっとばかり生半可な知識を身に着け始めた小生意気な若者の、「人と違う自分でいたい」的な思い上がりもいくぶんかは含まれていたことは確かだろう。ああ恥ずかしい。しかし実際、中学時代ぐらいまでは熱狂的に好きだった後期ロマン派を、この時期はあまり受けつけなくなっていたのだ。古典派や前期ロマン派に至っては、まだ関心の俎上にも上がっていない。 Read the rest of this entry »